今年度の日本薬理学会北部会をお世話させていただくにあたり、ひと言ご挨拶を申しあげます。日本薬理学会北部会は1950年(昭和25年)に仙台で第一回が開催され、今年で68回を数えます。まず初めにこのように伝統ある北部会を山形で開催する機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
山形での北部会は1981年(昭和56年)の第32回(大鳥居健 先生)、1996年(平成8年)の第47回(遠藤政夫 先生)に続き、今回で3度目です。遠藤先生が会長を務めた前回からすでに20年以上の月日が流れ、皆さまを山形にお迎えするのは21年ぶりということになります。
今回の北部会では「若手研究者が支える薬理学」というテーマを掲げさせていただきました。ご存知のように北部会は自由な雰囲気で活発なディスカッションが行われ、会員同士の交流も親密です。若い頃にはあまり感じておりませんでしたが、今になって振り返るとそのような北部会のなかで育てていただいたことが良く分かります。若手(子孫)を育てるということは生物の営みそのものであり、薬理学会(社会)を支え、継続するために欠かせないことです。そのためにも、これからの薬理学を支えて行く北部会の若手研究者に多数参加してもらうことを願って、本テーマといたしました。
学会2日目の午後には薬剤耐性菌をテーマとした市民公開講座を開催いたします。薬剤耐性菌の問題は、病院内だけではなく、社会全体、さらに世界規模での問題でもあり、昨年の伊勢志摩サミットでも「薬剤耐性菌対策」が取り上げられました。本市民公開講座では、この分野の第一人者である東北大学の賀来満夫教授に「感染症に薬が効かなくなる?」と題して、ご講演をいただくことにしております。
また、学会の翌日9月17日(日)には、「日本一の芋煮会フェスティバル」が開催されます。抄録集の表紙デザインには、その芋煮会に使われる「直径6メートルの大鍋」を用いましたが、そこには、北部会の若手研究者に日本一になってもらいたいとの思いを込めております。
久しぶりに山形に来ていただきますので、会員の皆さまにとって実り多い学会になることを第一に考え、教室員一同、鋭意努力しております。秋の山形でお会いできることを心より楽しみにしております。
第68回日本薬理学会北部会
部会長石井 邦明
山形大学医学部薬理学講座